英語文化学科 2年 S.Hさん
- 留学体験記1_2019.4.28
生活拠点をオーストラリアに移してから、早くも三カ月がたとうとしています。はじめは日本と違う大学のシステムに戸惑うことも多々ありましたが、今は徐々に落ち着いてきています。マードック大学では交換留学生のためのイベントや、マードックヴィレッジ(寮)に住んでいる学生のためのイベントがとてもたくさんあります。西オーストラリアの大学に通う留学生の集まりやサーフィンレッスン、二泊三日のサウスウェスト旅行などです。美しい自然に触れる機会が多く、日本では味わえない世界を感じました。
また、大学での授業に関しては予習と復習の日々に追われています。マードックの日本人留学生は基本的に三科目(私の場合はコミュニケーション、ビジネス、インドネシア語です)しか受講しませんが、現地の学生についていくには日本では考えられないぐらいのリーディングの予習が必要です。プレゼンテーションやエッセイなどの課題にも日々、追われています。ただ、この大学はスタディーブレイクと呼ばれる十日間ほどの休みが学期ごとに三度設けられます。そのブレイク中に課題を終わらせたり、休養を取ることによって次の授業を万全の状態で受けることができるので、このシステムにはとても助けられています。
私はその休みを使って友人とロットネスト島に旅行へ行ったり、趣味で西オーストラリアバレエ団のレッスンを受けたりして時間を有効活用しました。ここに来てから現地のオーストラリア人のみならず世界各国からの留学生、そして日本でなら交わることがなかったであろう日本人も含めてたくさんの人々と出会いました。この数カ月でもさまざまな文化を肌で感じ、今までの自分にはできなかった新たな考え方をたくさんを知りました。また、自分の将来なりたい姿を真剣に考え、逆算したうえで今の自分がしなければいけないことを始めるきっかけにもなりました。これからの留学生活も自分らしさを忘れずに、一つでも多くのことを吸収していきたいです。
- 留学体験記2_2019.6.28
6月19日、マードック大学での前期試験が無事すべて終了しました。それと同日にわたくしごとではありますが、ついに21歳の誕生日を迎えました。オーストラリアでは日本と違って21歳がとても大きな節目になるので、それをここできた友人たちに祝ってもらいとてもいい思い出になりました。
長いようであっという間だった前半戦でしたが、それはこの五カ月がとても濃い時間だったことを示していると思います。言語の壁があるわたしにとって、現地のオーストラリア人たちに混ざって授業を受けることは簡単なことではありません。しかし、それを乗り越えた今、確実に以前よりは自分でも少しは世界で通用するのかもしれないという自信が出てきました。また、最近では友人との話題からもたくさんの刺激を受けています。「先進国と発展途上国の境目はなにか」「どのような行為や考え方が人種差別や偏見ととらえられるのか」という話題を自分たちの体験談や世界の歴史から紐解いてみようとしたことがありました。今まで考えもしなかったようなことを追求するのはとても新鮮で、違った視点から物事を考えるようになりました。また、これまで力を注いできた英語以外の自分の知識の乏しさにも気付き、少しずつ歴史や地理のことを楽しく勉強し始めるようになりました。
パースでの生活を通して、世界各国の様々なバックグラウンドを持つ人々と関わる機会がたくさんありました。ただ残念なことに、出会いがあれば別れがあります。大半の留学生は前期の四カ月のみで自国に帰ってしまうのです。みんなとても素敵な人だったのでもう当たり前のように会えないのだと考えるとつらいですが、彼らや彼女らとの思い出はわたしにとってかけがえのない財産になりました。 前期が終わったということで、今わたしたちは冬休み真っただ中です。最初で最後のオーストラリアでの冬休み、時間を有効活用しながらここでしかできないことを思う存分楽しみたいと思います。
- 留学体験記3_2019.7.31
驚くことに留学生活が、もうすでに折り返し地点を過ぎてしまいました。一か月ほどの冬休みも終盤に迫り、今は来期の授業に向けての準備を進めています。
この冬休み、わたしはインドネシアのバリ島を旅行しました。ここパースから飛行機で数時間で行けるので、オーストラリア人にとってバリ島はとても人気の観光地です。一年を通して温暖な気候の国ですが、六月から七月のバリは湿度が比較的少ないので、とても過ごしやすくバカンスには最適でした。世界遺産や観光名所を見学し、インドネシア独特の文化を肌で体験することができました。また、美しい夕日を見たり、三時間半のマッサージを受けることもできたので前期で溜まった疲れを癒す絶好の機会になりました。
楽しい時間はあっという間にすぎ、パースに戻ってくると今度はルームメイトが入れ替わりました。元ルームメイトと会う頻度が減ってしまったのは寂しいですが、新しいルームメイトが来たことによって生活環境ががらりと変わり、慣れが続いてたなか身を引き締めることができました。これからもルームメイトと暮らせる限られた時間をより大切に過ごしたいと思います。
また、この冬休みはボランティア活動をいくつか行いました。一つは高校生の日本語の授業のアシスタントです。日本語の勉強を始めて五、六年がたつ生徒たちのスピーキングの練習を手伝うのが主な内容です。初めて出会った人とも上手くコミュニケーションが取れるようにすることを目標としています。この活動はわたしが帰国するまで続ける予定です。さらに先日、もう一つのボランティアも行いました。マードックオープンデーと呼ばれるオープンキャンパスが行われ、日本語専攻に興味のある子どもたちに浴衣や書道などの日本の文化を伝えることをしました。この活動を通して少しでも日本を好きになってもらえていたら嬉しいです。
授業が始まるとあっという間に過ぎるであろう留学生活を、少しでも有意義なものになるように工夫しながら残りの時間を最大限に使っていこうと思います。
- 留学体験記4_2019.10.29
早くも留学生活が残り一か月を切ってしまったことに驚きを隠せません。わたしは武庫川女子大学附属中学校高等学校に通っていたのですが、中学受験をした理由のなかの一つに実はこの大学での長期留学が含まれていました。英語に特化したコースを選んだこともあり、高校生のときには二度短期交換留学を経験しました。しかしそれだけでは物足りず、やはり最終的にオーストラリアへの長期留学を決意しました。英語圏の現地の生徒と同じように授業を受けて、英語で何かを習得するということにとても魅力を感じていたからです。ただ実際に留学生活が始まることは今まで目指してきたゴールに到達したことを意味し、それ以降の明確な目標を立てられていないことに当時気が付きました。
時間はあっという間に過ぎていき、気付けばもう終わりを迎えようとしています。振り返ればこの十か月でたくさんの“はじめて”を経験し、たくさんの“気づき”がありました。まず初めに感じたことは、ほかのインターナショナルとの英語力の差です。英語を第一言語とする人と差があるのは当たり前ですが、同じく英語を第二言語とする人と日本人の英語力の差を実感し「世界にはこんなに英語を話せる人がいるのに、今まで自分は何のためにここまで勉強してきたのだろう」と落ち込むことも少なくありませんでした。それでもめげずに追いつこうと必死にここまでやってこれたことにより、わたしは純粋に英語や英語圏の文化が好きなんだと再認識することができました。もちろん勉強や語学の面だけでなく、人との交流からも多くのことを吸収しました。わたしはもともと交友範囲があまり広くはなく、一定の友達としか深い付き合いをしない傾向にありました。しかしここで出会ったたくさんの人がわたしの視野をどんどん広げてくれ、その交わりが自分をより成長させてくれることに気づきました。今はその経験をきっかけに意識的に始めた自分磨きが一番楽しいです。そして最後に今わたしが一番考えなければいけない未来の自分の姿を、この十か月で掴めてきたと思います。
先日オーストラリア三菱商事の会社訪問に行かせていただいたことがきっかけで、より仕事に対する意欲が湧きました。わたしが心から求めるこの先の道は決して容易くはありません。きっとこの留学とは比べ物にならないはずです。しかし自分が本当に好きなことなら、わたしは乗り越えれると信じています。その自信がついたのもひとえにこの留学のおかげです。このまま最後まで突っ切り、日本に帰ってから始まる新しいことにも怯えず、この先も変わらぬ自分の信念を貫きながら前に進んでいきます。